IoTが変えるワイン生産 〜その導入メリットとは〜

ITの力と人の知恵を掛け合わせれば、農業は飛躍的に進化を遂げるでしょう。
IoTの導入によって、ぶどうのカビ被害を防止し、農薬の散布も劇的に削減ーー。
ITを有効活用することで、農業は目覚ましい変化を遂げることがあります。
そして、その一例として前回は山梨県甲州市にあるワイナリーを紹介しました。
しかし、農業生産が改善したと言っても、そのカラクリが分からなければ納得できないという方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は農業にIoTを導入するメリットについてご紹介します。
農業でIoTを活用するメリットとは
IoTを活用するメリットは、何と言っても広大な農園の状況をほぼリアルタイムで把握できることに尽きます。
IoTには「ソフトウェア」だけでなく、気温や湿度などを正確に計測する「ハードウェア」の存在が欠かせません。
このセンサーを農園のあらゆる場所に設置することで、その計測結果をITの技術によって集約。これにより農園の状況を正確かつ迅速に把握できるのです。
もしIoTの技術を使わず人の手で把握しようとすると、広大な農園であればそれだけで半日から1日ほど時間を費やすことになります。
この工数を削減できるのは、農作物が受ける被害を未然に防げるだけでなく、働き手の負担軽減にも直結します。農園は24時間365日人が張り付いていなければならないという課題を解決できます。
実際、ワイナリーで働き方改革を実現できた背景には、このような事情もあるのです。
例えば、高品質な農作物を生産できた要因を蓄積したデータを分析して導き出すこともできます
生産する土地が生産したい農作物に適しているか、これもデータによって論理的に示せるのです。
IoT導入で見落としてはいけない大事なこと
このようにIoTによって農業は大きな成果を生み出すことが可能です。
しかし、見落とされがちな点が一つあります。それは、ハードウェアやソフトウェアを導入するだけでは何も変わらないということです。
IoTを導入すれば万事解決、事はそう簡単にはうまくいきません。
それでは最終的に何が必要なのでしょうか。その答えは、IoTの導入を強力にサポートするパートナー企業の存在です。
IoTはもちろん、農園が抱える課題を的確に把握して共に解決に向けて歩みを進めてくれる。IoTに限らず、ITの導入を進める際はパートナー企業の姿勢、さらにはサポートに携わる社員も見ておきたいところです。
ITの力と人の知恵を掛け合わせれば、農業は飛躍的に進化を遂げるでしょう。
山田雄一郎