農業を変える「ブロックチェーン」のポテンシャルとは

食品のサプライチェーンを大きく変えようという動きが出ています。
ブロックチェーンという技術をご存知でしょうか?
昨今、話題になっている仮想通貨に利用されている技術ーー。ブロックチェーンと聞くと「仮想通貨」と思い浮かべる人も多いはずです。
しかし、ブロックチェーンは仮想通貨だけに利用される技術ではありません。農業、そして生産から流通、小売までのサプライチェーンを変えるポテンシャルを秘めているのです。
今回は、そのブロックチェーンについて紹介します。
ブロックチェーンは膨大なデータを保存する「箱」
そもそもブロックチェーンとはどのような技術なのでしょうか。まずはそこからひも解いていきましょう。
ブロックチェーンはあらゆるデータを記録する「箱」と言えます。仮想通貨なら、誰が・いつ・どこへ送金したか記録します。
しかし、単に記録するだけなら、ブロックチェーンを活用する必要はありません。なぜなら、皆さんが使っているスマートフォンもデータを記録できます。
それでは、ブロックチェーンだと何が違うのか。この部分がミソになります。
暗号技術を使って改ざんを防ぐ
ブロックチェーンに記録されたデータの特徴は、そのデータを改ざんするのがほぼ不可能なことです。
皆さんが普段使っているスマホのデータは、削除の操作をするとデータを抹消できます。
しかし、ブロックチェーンは高度な暗号技術を用いて、データの消去ができないようになっています。
ひょっとすると少し不便に感じるかもしれませんが、利用シーンを考えるとこの仕組みはとても便利なものです。
先ほどの仮想通貨の例を用いると、もし送金のデータが書き換えられるとどうなるでしょうか。
本来もらっているはずのお金が手元にないという事態になります。これは避けなければなりません。
つまり、記録を改ざんされたくないシーンで利用するのがブロックチェーンの使い方の一つと言えるでしょう。
他にもあるブロックチェーンのメリット
ブロックチェーンのデータはデジタルで記録され、これも利便性を高める要因となっています。
デジタルで管理されれば、世界中どこからもアクセスが可能です。国内だけでなく、世界中で情報を管理できる。これもブロックチェーンのメリットの一つです。
データの改ざんがほぼできない、そして世界中からアクセスできる。
この2つの利点を活かして、食品のサプライチェーンを大きく変えようという動きが出ています。
それについては次回お伝えしましょう。
山田雄一郎
食の安全を担保する